ヘパリン類似物質は化粧水代わりに使える?
ヘパリン類似物質は、ほとんど副作用がないため、化粧水として毎日使い続けることができます。ヘパリン類似物質が含まれる化粧水は、医薬品と異なり、ヘパリン類似物質の配合量は少ないですが、美容目的で作られているため、安心して日常のスキンケアに使用できます。数日で肌の保湿効果を感じることができ、乾燥や血行不良による肌荒れにも効果的です。
ただし、皮膚科などで処方されたヘパリン類似物質は、医師や薬剤師と相談した上で使用してください。ヘパリン類似物質を化粧水として利用したい場合は、一般的なスキンケア製品として販売されているものを選ぶことをおすすめします。
ヘパリン類似物質とは
ヘパリン類似物質とは、糖類の一種「ヘパリン」に似た化学構造を持つ物質のことで、乾燥肌の治療にも使われる治癒成分です。親水性があり、水分子を引き寄せる保水性があるため、持続的な保湿効果が期待できます。
保湿効果の高さから、一般的な需要が高まっており、保険適用外ではありますが、病院を受診せずに薬局やドラッグストアで購入できるようになりました。
ヘパリン類似物質は、私たちの体内に存在する成分に近いため、赤ちゃんから高齢者まで安心して使用できます。
ヘパリン類似物質の効果とはたらき
ヘパリン類似物質には、大きく分けて3つの効能があります。
①保湿・保水機能
ヘパリン類似物質は、優れた吸水性を持ち、水分を保持する働きがあります。肌のバリア機能が低下した場合でも、水分保持機能を改善する効果が期待され、慢性的な乾燥肌の改善が可能です。ワセリン、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸などの保湿成分もありますが、ヘパリン類似物質はこれらよりも優れた保湿効果があることが確認されています。継続的な使用によって、肌のうるおいを維持する効果が期待できます。
②血行促進機能
ヘパリン類似物質には、血流を増加させる効果があり、血行不良による炎症や痛み、しもやけなどに効果があります。また、血流の増加により、肌のターンオーバーが促進され、不要な角質が排出されるため、傷跡や火傷の治療にも使われます。さらに、血流が促進されることで、体内の水分が血液とともに排出されるため、むくみの緩和も期待できます。
③抗炎症機能
ヘパリン類似物質は、皮膚の炎症を鎮める効果が期待されるため、乾燥による炎症や肌荒れの治療にも使われます。肌の荒れを抑え、皮膚を健康な状態に戻すことで、肌荒れを緩和してくれます。ただし、炎症がひどく、肌荒れが痛みやかゆみを伴う場合は、医師に相談してから使用してください。
ヒルドイドとの違い
ヘパリン類似物質とヒルドイドは、同様の成分を含む医薬品でありながら、商品名が異なるため、どちらを選べば良いのか迷うことはありませんか?
ヘパリン類似物質とヒルドイドは、どちらも主成分として「ヘパリン類似物質」を含んだ医薬品ですが、その違いは「先発品か後発品か」にあります。初めに市場に登場した先発医薬品がヒルドイドであり、その後に後発医薬品(ジェネリック医薬品)としてヘパリン類似物質油性クリームが生まれました。
ヘパリン類似物質とヒルドイドの有効成分や効果にはほとんど差がありませんが、成分や添加物が異なるため、テクスチャーにわずかな違いが見られます。ヘパリン類似物質は比較的さらっとした感じが多い一方、ヒルドイドはローションの場合、乳液状であり、ヘパリン類似物質は化粧水に近い使用感があります。
使用感や肌へのなじみやすさ、入手のしやすさ、主成分以外の配合成分などを比較検討して選んでみましょう。
ヘパリン類似物質配合の化粧水の選び方
ここでは、ヘパリン類似物質配合の化粧水を選ぶ際のポイントを3つお伝えします。
保湿力で選ぶ
ヘパリン類似物質は保湿効果がありますが、より高い保湿力を求めるなら、スクワランやヒアルロン酸入りの製品が良いでしょう。ヒアルロン酸は、肌の水分を保持し、肌にうるおいやハリをもたらし、乾燥を防ぎます。スクワランは、肌の水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保つ効果が期待されます。
悩みに合った成分を選ぶ
さまざまなヘパリン類似物質が配合された化粧水から選ぶ際、どれがベストなのか迷ったら、共に配合されている成分に目を向けてみましょう。自分の肌悩みに対応できる成分が含まれている商品を選択してみてください。
ここでは、美容効果が期待できる成分を3つ紹介します。
【肌荒れを予防したい人におすすめ】
ニキビや他の肌荒れに悩む方には、グリチルリチン酸ジカリウムが含まれた商品を試してみると良いでしょう。この成分は、甘草(カンゾウ)由来の水溶性成分であり、「肌荒れ予防有効成分」として認可されています。また、グリチルレチン酸ステアリルやアラントインなどの油性成分も、肌荒れ予防に効果があるとされています。
【美白を目指したい人におすすめ】
日焼けによるシミやそばかすを予防したい方には、アミノ酸・ビタミン・ミネラルなどが豊富なプラセンタエキスがぴったりです。ブタなどの胎盤から抽出されるこのエキスは、メラニンの生成を抑制し、シミやそばかすを防ぐ美白有効成分として認められています。また、保湿や皮膚細胞の活性化効果もあるため、肌を整えたい方にもおすすめです。
【敏感肌の人におすすめ】
敏感肌の方は、無香料・無着色の製品を選択するのが良いでしょう。成分がシンプルなものなら、肌への刺激を最小限に抑えることができます。また、アルコールや無鉱物油を含まない化粧水も、肌に優しい商品と言えます。ただし、個人差があるため、様子を見ながら使用するようにしてください。
目的やシーンに合わせて、タイプを選ぼう
ヘパリン類似物質を含む化粧水は、優れた保湿効果を持つ成分です。毎日使う化粧水を選ぶ際には、テクスチャーや保湿感が非常に重要です。ローションには、化粧水タイプと乳液タイプの2つの種類があります。目的やシーンに応じて選ぶことが大切です。
さっぱり感を好む方には、シャバシャバとした化粧水タイプが最適です。さらっとしたテクスチャーで、使用後のベタつきが少なく、夏場でも快適に使用できます。手軽に全身を保湿できる使いやすさも魅力。
保湿に重点を置く方には、乳液タイプが最適です。ミルクローションとも呼ばれ、化粧水よりも保湿力が高く、乾燥が気になる秋冬などの季節に最適です。濃厚でとろみのあるテクスチャーで、化粧水よりもややベタつきますが、広い範囲にも使いやすいです。
テクスチャーの選択に迷った場合は、実際に試してみることをおすすめします。
化粧水代わりにする際の使い方
ヘパリン類似物質は、通常の化粧水と同様に、洗顔後に塗布するのが適切です。また、体温が上がると伸びが良くなるため、お風呂上がりの5分以内に使用して保湿するのがおすすめです。単独で使用することもできますが、化粧水と併用する場合は、化粧水の後に塗布してください。その後、しっかりと乳液やクリームで保湿を行いましょう。使用量の目安は1円玉大とされています。
化粧水代わりにする際の注意点
ヘパリン類似物質は、赤ちゃんや高齢者でも安全に使用できる成分です。ただし、顔に使用する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
①肌の状態が悪化したらすぐに使用を中断する
ヘパリン類似物質は一般的に副作用が少ないですが、まれにかゆみや湿疹、かぶれ、赤みなどの症状が出ることがあります。そのような場合、使用を継続すると肌トラブルが悪化する可能性があります。肌に異常が見られたら、使用を中止して皮膚科で相談することをおすすめします。
②医師からの処方薬は、正しい用法を守る
医師が処方したヘパリン類似物質を使用する際には、自己判断での使用量や使用頻度は避け、医師や薬剤師の指示に従い、用法用量を守って正しく使用するようにしましょう。処方されたヘパリン類似物質を化粧水代わりに使いたい場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。
③出血性血液疾患の人は使用を控える
ヘパリン類似物質には、血行を促進する効果や血液凝固を防ぐ効果があります。したがって、血友病や血小板減少症、紫斑病などの出血性血液疾患を持つ方は使用できません。また、持病がなくても、切り傷やジュクジュクした傷がある場合は注意が必要です。出血を伴う傷にヘパリン類似物質を使用すると、血液凝固が阻害され、傷の治りが遅れる可能性があります。
ヘパリン類似物質配合のおすすめ化粧水5選
ヘパリン類似物質が配合された化粧水の中から、おすすめの商品を3つを紹介します。美容目的で安心して使用できるスキンケア製品で、ドラッグストアなどで手軽に入手できるため、気になる商品があればぜひ試してみてください。
健栄製薬
ル・マイルド化粧水
ヘパリン類似物質が含まれ、肌をみずみずしく保つ高保湿化粧水です。「敏感肌でも毎日使える化粧水」をコンセプトにしており、高保湿かつ低刺激の処方で設計されています。高い保湿効果にも関わらず、ベタつきが少なく、肌に馴染みやすいのも特徴です。また、ワンタッチキャップ仕様で、毎日のスキンケアがストレスなく行えます。

カルテHD モイスチュア ローション
AdryS | アクティブローション ディープモイスト

VITALISM | 薬用 プレミアム エッセンスローション
ヒルドプレミアム ミルクローション
まとめ
この記事では、ヘパリン類似物質の特徴や化粧水としての適切な使い方、選び方、おすすめの商品について紹介しました。医薬品のヘパリン類似物質を化粧水代わりに使用する場合は、医師に相談することが必要ですが、医薬部外品のヘパリン類似物質は配合量が少ないため、化粧水として気軽に使用できます。ヘパリン類似物質の化粧水を使って、肌の保湿力を高め、潤い豊かな肌を手に入れましょう。