多くの人が「ヘパリン類似物質でシミが薄くなる!美白効果が期待できる!」という話を聞いたことがあるでしょう。その実態について気になりますよね?この記事では、シミとヘパリン類似物質の関係や、その効果、市販のヘパリン類似物質を選ぶ際のポイント、おすすめ商品について紹介します。
ヘパリン類似物質はシミを消せる?
結論として、ヘパリン類似物質がシミに効くというデータはなく、直接的にシミを消す効果はありません。ただし、保湿効果の高いヘパリン類似物質を使うと、肌がしっとりと潤い、バリア機能が回復し、ターンオーバーのサイクルが整うことで、間接的にシミの生成を防ぐ可能性があります。
シミに効く成分って?
シミの改善や予防には、美白有効成分が含まれる化粧品を選ぶことが大切。ビタミンC、プラセンタ、トラネキサム酸、L-システインなどの美白成分は、シミの原因となるメラニンの生成を抑制し、ターンオーバーを促進することで、体内からシミを改善してくれます。
ヘパリン類似物質の効果効能・シミとの関係性
では、ヘパリン類似物質の効能効果とはどういうものでしょうか。ヘパリン類似物質には、大きく3つの効果が期待できます。
①保湿作用
ヘパリン類似物質は水と結合しやすい構造を持ち、皮膚の角質層の水分量を増やすことで保湿効果をもたらします。この保湿作用により、皮膚表面の外部からの異物侵入を防ぎ、バリア機能を向上させることも知られています。
②抗炎症作用
皮膚が乾燥しバリア機能が低下すると、外部からの刺激によって皮膚が炎症を起こしやすくなります。ヘパリン類似物質は、バリア機能を高め、抗炎症作用をもたらすことで、肌荒れやひび割れなどの炎症反応を緩和することができます。
③血行促進作用
ヘパリン類似物質には、血液凝固を防ぐ働きがあり、皮膚への塗布によって血行を改善する作用があります。これにより、皮膚の再生能力が増し、傷跡や火傷跡などの治癒が促進されることが期待されます。
シミの改善には、肌のターンオーバーが重要ですが、肌が乾燥していると、表面が傷つき、ターンオーバーが乱れます。ヘパリン類似物質などで乾燥肌を保湿すると、ターンオーバーの乱れを整えることができます。つまり、ヘパリン類似物質は直接シミを改善するわけではありませんが、肌のターンオーバーを整えることでシミ改善につなげる可能性が期待されるのです。
ヘパリン類似物質を含んだ市販薬の選び方
ヘパリン類似物質配合の市販薬にはさまざまな商品がありますが、選ぶ際の2つのポイントを紹介します。
①使い勝手を重視する
ヘパリン類似物質を含む市販薬には、様々な形態があります。それぞれの違いを把握して、自身に合ったものを選ぶことが大切です。
保湿効果は、油性クリーム(軟膏)>クリーム>ローション>泡状フォーム>ミストの順になります。保湿力が高いほどベタつきやすく、夏の汗をかく時期や顔や首などの場所には、ベタつきが少ないローションや泡状クリームが適しています。一方、秋冬の乾燥がひどい時期やかかとやひざなどには、クリーム剤が適しています。
また、外用薬は塗布する場所によって使い勝手が異なります。広い範囲や全身に使用する場合は、のびが良いローションやフォーム(外用泡状スプレー)がおすすめです。狭い範囲に使う場合は、クリームや乳液タイプが適しています。
クリームには油性タイプと水性タイプがあります。乾燥がひどい場合は油性クリーム(軟膏)が適しており、顔全体に広く使用する場合は水性クリームタイプが適しています。泡状スプレーは手軽に塗布できるため、子どもや手の届きにくい場所にも便利です。
②プラスαの配合成分を重視する
市販薬には、ヘパリン類似物質に加えて、さまざまなプラスαの有効成分が含まれています。ご自身の症状に応じて、他の配合成分にも目を向けてみましょう。
肌荒れが気になる場合は、ビタミンEやアラントイン・パンテノールが配合されたものを選ぶのがおすすめ。乾燥肌の方にお悩みの方には、かゆみを抑えるジフェンヒドラミンやクロタミトン入りのものが適しているでしょう。
ヒルドイドとの違い
ヒルドイドは、ヘパリン類似物質を有効成分とする保湿効果のある処方薬です。一方、ヘパリン類似物質は、後発品であり成分名です。これらは呼び名が異なるだけで、成分自体は同じですが、剤形には違いがあります。ヘパリン類似物質には、液剤やクリーム、スプレータイプなど様々な形態があります。使用感や適した部位も異なるため、皮膚の状態や好みに応じて選択するとよいでしょう。
市販薬を使用する際の注意点
- ヘパリン類似物質の副作用には、皮膚刺激、発疹・発赤、かゆみ、赤み、腫れ、紫斑などが含まれます。副作用はまれですが、肌が極度に乾燥している場合に起こりやすい傾向があります。また、添加物に反応する可能性もあるため、皮膚が弱くアレルギーを持つ人は成分を確認することをおすすめします。
- ヘパリン類似物質には、血液の凝固を防ぐ効果や血行促進作用があります。そのため、出血している部分に塗布すると、出血が止まりにくくなる可能性があります。市販のヘパリン類似物質を使用する際は、出血部位や傷口には避けて使用してください。血液の病気(血友病、血小板減少症、紫斑病等)を治療中の方、血液をサラサラにする薬を飲んでいるなど、出血をしやすい方も使用を控えましょう。
- 薬を使用する際には、使用上の注意を必ず読み、用法と用量を守って使ってください。異常や違和感がある場合は、直ちに使用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。また、5〜6日間使用しても改善しない場合も、使用を中止し、医療機関を受診するか薬剤師に相談してください。
ヘパリン類似物質を含んだおすすめの薬用クリーム
へパリシエ モイストリッチ
圧倒的な高保湿力のヘパリン類似物質が含まれる医薬部外品のクリームです。肌に潤いをぐっと閉じ込め、肌の補修に大切なうるおい構造に働きかけてくれます。日中の紫外線ダメージを夜間に補修してくれるため肌荒れ防止にも繋がります。

HPクリーム 25g

へパソフトプラス
まとめ
今回は、ヘパリン類似物質を含む市販薬について解説しました。優れた保湿効果に加え、抗炎症作用や血行促進作用があり、肌のターンオーバーを促してくれるヘパリン類似物質は、幅広い商品が展開されています。自分のニーズや使用する場所に合わせて製品を選ぶことができますので、ご自身に合った市販薬を見つける際の参考にしてみてください。